| 【悪い上司の対応】 4月から係長に抜擢された総務部の山田寧子さん。同時に部下を配属されましたが、どうにもうくきいきません。以下、ある日の部下とのやりとり。 新人「係長、昨日指示されたA社の件なのですが・・・」 山田「ああ、あれね。前任者の○○さんが話を通してあるからうまくいってるんでしょう?」 新人「ええ、まあ一応進んでいるのですが・・・」 山田「そう、それは良かった。話したかったのはそれだけ?」 新人「あ、いえ、そのう・・・」 山田「なに?何か問題でもあるの?」 新人「い、いえ。特に問題ということではないんですが・・・」 山田「そう。問題がないならどんどん進めて。私は約束があるからもう行くから。」 新人「はあ、わかりました・・・。」 こんなやり取りの一週間後 山田「○○君、先週頼んだA社の件だけどどうなってるかな?」 新人「はあ、検討は進んでいるのですが、内容に合意が得られなくて・・・」 山田「えっ、先週は何も言ってなかったじゃない?どういうこと?」 新人「A社の担当の方が、前任者の人とは契約の約束などしていないと言うのです。」 山田「何言ってるの今頃?それなら先週はっきり言ってくれなきゃ困るでしょう?」 新人「はあ、先週はどうも煮え切らない感じを受けてただけで、そこまでは聞けずに・・・」 山田「もういいわ。私がA社さんと話します。」 いかがですか?皆さんの部下や同僚への対応はどのようになっていますか? 上の山田係長の対応は、人を育てるという点ではまったくの落第点です。 【山田係長はどのように対応すべきだったのか?】 上記のやり取りでは、まず山田係長は「ああ、あれね。どうしたの?」と聴くべきだったでしょう。新人は、最初に問題がありそうなことを示唆しているのですが、山田係長は「うまくいっているんでしょう?」と、断定(特定)的な質問をして、その芽を摘み取ってしまいました。そのために話が発展せず、問題点が明らかにならないまま終了してしまいました。単なる会話のやり取りと見えますが、部下を成長させるためには、その可能性を最大限に引き出すための会話が大切であり、そのためのコミュニケーション技術を実につけることが必要です。この技術をコーチングと言います。 【コーチングで大切な「質問のスキル」】 コーチングには、対人関係で使うことをなるべく減らしたい質問として、「特定質問」、「過去質問」、「否定質問」といわれるものがあります。上記のやり取りでは、山田係長はこの三つをふんだんに使っています。必要なのはこの逆の質問、「拡大質問」、「未来質問」、「肯定質問」といわれるものです。山田係長は「ああ、あれね。どうしたの?」(こういう質問を「拡大質問」といいます)とすべきでした。そうすれば、新人は上司に尋ねられて、自分の考えを自由に話すことができるようになったでしょう。「特定質問」が多いと、萎縮し、自分の考えを話すことができなくなります。 |
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