
| 総務部は潤滑油 総務部の山田寧子さんは勤続12年のベテラン。いろいろな仕事に精通して自信を持って日々の業務に携わってきました。ところが、ある日上司(課長)に呼ばれて、「もう少し他の部門の人たちに配慮してくれ」、「総務部は他部門をフォローするのも仕事のうち。やっつけ仕事は駄目だよ」と、言われてしまいました。 【他部門・他者のフォローは「私の仕事じゃない」?】 課長が言うには、他部門からの報告書や請求書の提出期日が守られなかったり、会議での確認事項が実行されていなかったりすることが多くなっているとのことでした。 寧子さんの会社もここ数年の不況の影響で人員削減に取り組まざるを得ず、少なくなった人数でより増加した業務をこなさなければならなくなっており、さまざまなポカやミスが発生し出していました。総務部も7人から5人に減員となっていて、ベテランの寧子さんの業務量もかなり増加していたのです。そうした状況の中で、他部門への依頼事項もメール1本送って良し、会議で確認した事項はそれで良しとしていました。 課長からは、「大変な時期だからこそ確認事項を確実に実行してもらうためのフォローも必要なんじゃないか」とのことでしたが、この忙しい中、「一度確認した事項を再確認するなんてとてもできないし、その確認事項が実行されなないのは自分の責任ではない」と、答えてしまいました。 みなさんはこの寧子さんの発言をどのように考えますか? 【各部門や個々の従業員の仕事がスムーズに進むには】 結論からいえば、寧子さんのような立場で仕事をしても、会社の状況が良くなっていくことはありません。 総務部の仕事というのは、会社が決めたことを実行していくための“潤滑油”としての役割を果たしていかなければならない部門です。会社内にこのような問題が発生しているのであれば、その原因を取り除いてスムーズに進むようにしていくことが大切です。 このような問題では、期日前に実行状況を確認すると同時に、実行のための障害物が発生している場合にはそれを取り除いていくことも必要です。 また、機械的に誰にでも、何にでも再確認をすれば良いということではありません。再確認をしなくても実行してくれる人や部門もあれば、“前歴”から見てこの人やこの部門は「危ない」ということがあるはずです。状況を良くつかみ検討して、効率的、効果的に行うべきでしょう。そして当面の目標としては、確認事項が期日どおり実行されるということですが、長期的には、そうした人や部門が訓練されて成長していくことを目標にすることが必要です。そうした観点を考慮してのアプローチを検討していくことが大切です。 とは言え、寧子さんのように膨大な業務を抱えている人にとっては、そのための時間を捻出していくことが大きな壁になります。次はこの壁を乗り越えていくスケジュール管理について考えて見ましょう。 |
| スケジュール管理の重要性 前回、人員削減の中で業務量が増加している総務部の寧子さんが、他部門へのフォローを強めるためにどう時間を捻出するか?そのためには、スケジュール管理を上手にやっていくことが必要だと述べましたが、このことは、総務部や経理部の仕事をしていく上でもっとも重要な「期日を守る」ということにつながっています。 総務部や経理部の場合は、さまざまな種類の業務が平行して進行します。自分のなすべき仕事とその期日を明確にし、いつ行うことが必要なのか、優先順位も考慮してスケジュールに落とし込んでいくことが必要です。 @今、自分がやらなければならない仕事の期日を明確にして、年間、月、週の単位に大雑把に振り分けます。 A次に、最初の週に振り分けた仕事に優先順位をつけ、1週間の各日に無理のないように振り分けていきます。 期日の明確なものについては、前日までに終了できるよう に予定します。 これができたら仕事開始です。毎日、まず朝一番の仕事は、その日のスケジュールを確認し必要に応じて組み直すことです。カレンダーに書かれている仕事に優先順位をつけ、その順番に仕事をします。 ところで、ここで問題になるのは、新たな仕事が入ってくるなどして予定していた仕事ができそうもなくなった時です。ただ単に先延ばしするだけでは、翌日以降も含めてすべての仕事が遅れることになり、結果として仕事の期日を守ることができなくなります。こうした場合は、その日のうちに手を打ちます。 Bスケジュールを組み直して翌日以降に繰り延べる。 C期日が守れなくなる場合は何らかの対策をその時点で講じることが必要です。 上司や同僚、部下等、他の人に依頼するなどの手立てもその一つです。 このスケジュールを考えていく上でのコツは、1週間単位、1ヵ月単位で調整していくことです。その際重要なことは、それぞれの仕事の期日を明確にすることです。仕事の質を向上させることは大切ですが、期日を守って仕事をやりきることは何よりも重要です。期日を過ぎてしまえば、会議の資料などは何の役にも立ちません。 また、期日が明確になっていれば、必要な残業も明確になりますし、逆に不要な残業は減らすことができます。 このようにして、毎週月曜日はその週のうちにやらなければならない仕事を確認しスケジュールを組み直すことを第一の仕事にしましょう。 スケジュール管理をすることにより、忙しい中でも漏れのない業務を遂行することが可能になります。同時に、自分の仕事の中で何が重要なのか、今何をするべきなのかを整理することができるようになってきます。 最初は面倒に思えますが、積み重ねていくうちに確実に仕事をすることができるようになり、スケジュール管理も無理なくできるようになってきます。 |
| 書類やファイルの整理 ■書類はどのように整理するか? 前回までに、自分のスケジュール管理を覚え、他部門へのフォローを積極的にできるようになった寧子さんですが、また課長に怒られてしまいました。保管していた資料がなかなか見つからず、頼まれた資料をすぐに提出できないことが多々あるのです。 このように、事務部門で仕事をする人の大きな悩みの一つに、自分が作った書類や受け取った書類の管理の方法があるのではないでしょうか。 顧客との契約書や請求書などは、使用目的や性格がはっきりしていますから、定められた方法でファイルしておけば良いことですが、進行中の作業に係わる書類については、そのたびにファイルしていたのでは不合理なことになります。結果的に不要な書類も発生しますので、その書類はファイルから外して捨てなければならないからです。もし、不要な書類をファイルしたままにしておくと、保管書類が膨大になり、その中から必要な書類を捜し出すのは一苦労ですし、保管スペースがすぐにパンクしてしまいます。 しかし、進行中の書類をすぐにファイルしないとなると、それらの書類が机の上に山積みになってしまい、これまた何がどこにあるのかが分からなくなってしまいます。 ■クリアファイルの活用 作成した書類や受け取った書類は、その時点で、@ファイルするのか、A廃棄するのかを決めてください。その判断ができないものや進行中のものについては、クリアファイル等を使って時系列順に自分の机の引き出し等に保管してください。保管の期間中に使用したものは、時系列上の一番前に並べなおします。こうしておくと、使用した順にクリアファイルを並べることができます。一番後ろは1度も出したことのない資料ということになります。 このクリアファイルの置けるスペースについては容量を決めておいてください。スペースがいっぱいになったら一番古いものから内容を確認し、その時点でファイルするか廃棄するのかを決めて処理します。 ■ファイルの保管の方法 資料をクリアブック等にファイルしたら、その保管方法にも一工夫しましょう。通常クリアブックや分厚いファイル等はロッカーに地域別や五十音順に並べて保管しますが、その際に一目でわかるように背表紙を色別にしたり、背表紙に太い横線を位置を変えて引いておくと便利です。 例えば五十音順にファイルを並べた場合、背表紙を縦にほぼ10分割し、あ行は背表紙の一番上の位置、か行はその下の位置というように、太い横線を薄い色のマジック等で引いておきます。こうすれば、ファイルしようとするときに位置が決まり探すときも一目瞭然です。 このように、合理的なルールを定めてそのルールを守って書類を整理することにより、必要な書類だけを使いやすいように保管することができるようになります。 |
| 営業部と連携した回収業務 ■営業部からの頭の痛い依頼 経理部の山田寧子さんは勤続12年のベテランですが、どうも気の進まない仕事があります。それは、営業部から顧客への支払督促を頼まれることです。営業部員から、「忙しくて連絡できないから振込依頼の連絡をしておいて!」との依頼が日常的にあるのです。中には、半年分も未入金の状態で放置されていたものもあり、気の重い仕事でなかなかはかどりません。不満も募ってきてしまいます。 ■会社の営業活動は集金できてこそ! 会社としては売上を上げることが第一ですが、それと同じぐらい重要なのが回収です。いくら売上を伸ばしても入金がなければ資金繰りが回っていかず倒産しかねません。 営業部には集金まで責任を持ってほしいところですが、新たな仕事を獲得するためにはどうしても集金がおろそかになってしまうようです。こんな状況を改善するためには下記のようなルールを明確にすることです。 @仕事を受注したら、その時点で代金支払の期日、方法 を顧客と確認して書面にしましょう。 A入金状況は経理部で一括管理し、期日までに入金がな ければ、自動的に顧客に書面を交付します。 B書面交付後、1週間程度たっても入金がなければ、電話 で確認します。その際は必ず入金日を確認します。 Cそれでも入金されないときは、訪問して交渉しなければ なりませんので、経過を添えて営業部に訪問依頼の連 絡をし、営業担当者と顧客訪問の期日を確認します。 @は営業部にやってもらいましょう。その際、仕事の受注は口約束ではなく、必ず書面で行います。契約書でなくても、簡単な発注書等を自社で作成して、相手の会社に印を押してもらうことです。そして、その中に「代金支払方法・期日」を入れておくことがポイントです。これをしておけば後で催促することに何の遠慮もいりません。 これができてくれば、A以降は経理部で事務的にどんどん進めれば良いのです。 ■経理部と営業部の連携 営業部は、仕事を受注することにどうしても目が向いてしまい、集金や顧客管理がおろそかになりがちです。このような問題についても、総務部や経理部では、代金の回収の側面等からいろいろな改善すべき点が見えてきます。 営業活動から代金回収までがスムーズに流れるような会社の仕組をつくれるように、総務部や経理部の側からも営業部に対して積極的に提案していきましょう。その際、営業部に「あれやれ」「これやれ」というだけでなく、「このような仕組をつくれば総務部経理部としてもこのように援助できる」と提案していくことが大切です。こうした積み重ねで、会社としての仕組が強化されるだけでなく、全体の連帯感も強まりいっそう強い会社になっていきます。 |
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