PART1:〜カウンセリングって何?〜
最近はメンタルヘルス対策として、大手企業では社内にカウンセラーを常駐させたり、一部中小企業でも外部のカウンセラーと契約して、必要に応じてカウンセリングを利用したりしているようです。
ところで、カウンセリングとは何なのでしょうか。
カウンセリングは日本語でよく「相談」と置き換えられています。一時期はそのように和訳されていたようですし、カウンセリングという言葉の語源には、相談という意味もあるようです。
ただ、現代カウンセリング事典(國分康孝監修)によると「カウンセリングとは言語的および非言語的コミュニケーションを通して、健常者の行動変容を試みる人間関係である。」と定義されており、単なる相談ということでもなさそうです。
◆ 相談との違い ◆
では、相談との違いは何なのでしょうか。
一口に相談と言ってもいろいろな種類があり、ここでは「身の上相談」「コンサルティング」との違いを比較してみます。
例えば、ニートの若者から就職についての相談を受けたとします。
「身の上相談」の場合、相談を受けた人の経験や価値観から相談者にアドバイスをするため、解答も千差万別です。過去に同じ経験をした人であっても、その後自分で納得のいく人生を送っている人からは、「焦らずに自分の本当にしたいことを探しなさい。」というようなアドバイスになるでしょうし、過去の経験を後悔している人からは、「どんな仕事でも良いから、とにかく正社員の仕事を見つけなさい」というアドバイスになるのではないでしょうか。
「カウンセリング」においても、まず相談者の話を聴くことは身の上相談と同じです。しかし、カウンセリングではその最中に人間関係の構築、表情・顔色・動作・口調などから内面を察知し、相談者に伝え返して確認する作業などを行います。その結果、相談者は今まで見えていなかった自分に気付きます。直接的な指導等は行わないので、その場で解答が出るわけではありませんが、相談者が自分の力で徐々に問題を解決して行くようにします。
「コンサルティング」は、例えばキャリアコンサルタントに相談した場合、相談者の興味・能力・価値観・過去の経験・生育環境等をもとに、将来のビジョンを視野に入れてカウンセリングをします。その結果、相談者が何をしたいのかが明確になり、そこから相談者自身では見出せなかった可能性を引き出し、マッチングを行います。この場合もカウンセリングを行いますが、なかなか対等の立場にはなりづらく、どうしてもコンサルタント主導になりがちです。
つまり、相談においては具体的な解答を出したり、それが難しくてもある程度の方向性を示したりすることに重きを置きますが、カウンセリングではプロセスに重きを置いているのです。
◆ 産業カウンセリングの目的 ◆
さて、企業におけるカウンセリングとは、どのようなことを目的としているのでしょうか。
一般に企業におけるカウンセリングを産業カウンセリング、産業カウンセリングに従事する人を産業カウンセラーと呼びます。産業カウンセリングの目的は「働く人の人間的成長を援助すること」です。それは単に不平不満の処理や、一時的な職場不適応の解決だけではありません。
従来は従業員の不適応対策として実施されており、心理療法的側面や、適応相談的側面が強かったのですが、問題行動にのみとらわれず、より良い適応と成長や発達を援助することが、メンタルヘルスの保持・増進活動の中心となっています。
つまり産業カウンセリングとは、働く人の生涯にわたる成長過程を通して、その人が効果的に機能できるように、個人的・社会的技能を身に付け、さまざまな問題解決や意思決定能力を発達させることを援助する過程と言えるでしょう。
最後に、カウンセリングと言ったときに、いいイメージを持たれたでしょうか。あまりいい印象がないのではないかと思われます。
実はカウンセリングの対象者は健常者(成長、向上が期待されている人)が主です。「ちょっと悩みがあって気が重いなあ…」と言うようなときに、気軽に行って見て下さい。 |
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