◆解雇・雇い止め
解雇予告手当の支払義務と計算方法
Q:事情があってお店を閉めることになり、従業員にその旨伝えたところ、一人の従業員が簡易裁判所に解雇予告手当の支払いを求める訴えを起こしました。その従業員に対しては雇い入れたときの労働条件を上回る給料を出すなどずいぶん世話をしてきたので、私としては感情的に支払いたくないのですが…。またなぜこの額になるのか、計算の仕方もわからないので教えてください。
A:解雇予告手当について、労働基準法第20条では、「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない」としています。この場合、予告日数を平均賃金と換算することができます。たとえば、お店を閉めると伝えた後10日分の平均賃金を支払ったとするならば、20日分の解雇予告手当を支払わなければなりません。
Q:その従業員の雇い入れ条件は日給8千円で1箇月23日勤務ということでしたが、この半年間の勤務日数はいずれも16日間から20日間程度です。家庭の事情もあるだろうからということで、温情的に特別手当を支給してきたのです。その特別手当分まで含めて平均賃金を計算するのでしょうか。恩を仇で返されたような気がするのですが。
A:雇い入れたときの労働条件明示書あるいは労働契約書はありますか。
Q:知人からの紹介で雇ったので、そのような書類はつくっていません。
A:とすると相手に渡されている給与明細票のみが唯一の証拠書類となりますから、あなたの主張はなかなか裁判で通せないと思います。解雇予告手当の支払が不要となる場合は、天災事変等の理由で事業の継続が不可能になるか、労働者の責任に帰すべき理由で解雇するときで、労働基準監督署長の認定を受けた場合です。今回のケースはそのいずれにも該当しません。相手の訴えを認め、和解されることをお勧めします。
(後日の経過:簡易裁判所で私(鎌田)も同席し、裁判官、司法委員、当事者の話し合いの結果、解雇予告手当を支払うことで和解。その後、喫茶店で話し合ったところ、かなり行き違いがあったこともわかり、店を再開しその従業員を再度雇用することも検討することとなりました。よかったですね。)
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