(連載第10回より「行政書士・赤川理惠の徒然日誌」に改題しました。)
【INDEX】
(第1回) 悪質な債務者を許さなかった契約書 (05年4月第24号)
(第2回) 79年の人生の思いを託した遺言 (05年5月第25号)
(第3回) 代理人として離婚合意の履行を迫る (05年6月第26号)
(第4回) 「難病の息子に財産を残してやりたい」という願いを叶えた法律相談 (05年7月第27号)
(第5回) 自己破産さえできない多額債務の整理めざして (05年8月第28号)
(第6回) NPO法人の設立や運営に関わって (05年9月第29号)
(第7回) 自己破産ではなく、“時効の援用”で債務ゼロになったケース (05年10月第30号)
(第8回) 妻の生活を守るために一番有効な遺言書は?〜70代男性の遺言相談より (05年11月第31号)
(第9回) 「相続時精算課税制度」を活用して実現した生前贈与 (05年12月第32号)
(第10回) 自立した老後と家族のあり方〜成年後見制度とは〜 (06年1月第33号)
(第11回) 遺産分割協議のやりなおし (06年2月第34号)
(第12回) 個人事業から株式会社設立へ (06年3月第35号)
(第13回) 離婚は成立したものの…その後の手続あれこれ (06年4月第36号)
(第14回) お墓の承継をめぐる問題 (06年5月第37号)
(第15回) 著作権の豆知識 (06年6月第38号)
(第16回) 韓国から帰化された方の相続 (06年7月第39号)
(第17回) インターネットでの個人情報の公開や中傷にどう対応する?
〜プロバイダ責任制限法〜 (06年10月第42号)
| 悪質な債務者を許さなかった契約書 (05年4月第24号) |
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最初のテーマは、お金を払う気のない債務者を追い詰めた「契約書」のお話です。 Sさんは、Aから業務を委託され、Aの職場で数ヶ月間働きました。そのときの報酬の取り決めは口約束でした。Sさんは、それなりの社会的地位のあるAが、まさか報酬を支払わないとは夢にも思わなかったのです。ところが一向に報酬を支払わないA。そのうち委託された業務が終了、しかし報酬はゼロ。 私たちが相談を受けてまずやったことは、Aの債務額の確定と支払い条件を確認する契約書をとにかく作ることでした。さて、無事両者押印し、契約成立。ところが案の定、Aは数ヵ月後には契約書どおりの支払をしなくなったのです。 頭にきたSさん、裁判所に支払い督促を申し立て。月々の支払額を減額する和解が成立。ところがまたしても支払わないA。ついにSさんは、動産(会社の備品等)の差し押さえ手続を行ったのです。 「それにつけてもあの契約書がなかったら、言った言わないの水掛け論で何もできなかった」とSさんの率直な感想。「契約書を作っているからトラブルにならない」という話をよく聞きます。“まずは一筆”の心がけが大切です。 |
| 79年の人生の思いを託した遺言 (05年5月第25号) |
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今年で79歳になられる一人暮らしのBさん。10代で母親を亡くし、父親とは折り合いがあわず、幼い弟妹を残して家を飛び出しました。戦後まもなくは担ぎ屋などをして無我夢中で働き、40歳になった頃ようやく落ち着いて好きなことが楽しめる一人暮らしの生活を手に入れました。ダンサーの振付師になりたくて、単身渡米して学んだり、アフリカ、アジアの国々を旅したり、現在でも五木ひろしの追っかけをする元気なおばあちゃんです。 それでも歳とともに、気にかかるのが最期の時。「他人に迷惑をかけたくない」「社会に少しでも役に立てれば」と思い、遺体は医学に役立てるため献体の登録を、お骨は散骨を頼んでいます。そこまで万全の準備をして、最期の手続を誰に頼むかが悩みでした。 そんな時私に相談がありました。一人暮らしの方が亡くなった場合、お役所の手続では正式な遺言書がないかぎり、必ず相続人に連絡が行きます。Bさんは、相続人である弟妹とは永年絶縁状態にあり、連絡して欲しくない。遺産は世話になった団体に贈与したい。そんなBさんの思いを一緒になってまとめて、公証人役場に遺言の立会い証人として同行し、公正証書遺言を作成しました。公正証書遺言とは、遺言者が公証人に遺言の趣旨を伝え、公証人が筆記、作成し、保管してもらうもの。自筆遺言証書とちがって、死亡後家庭裁判所での検認の手続は必要ありません。遺言書ができたときBさんの顔は、とても晴れやかでした。 |
| 代理人として離婚合意の履行を迫る (05年6月第26号) |
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今回は28歳のC子さんからのご相談です。 C子さんは派遣先の職場で知り合った6歳年上の彼と、2年前に結婚をしました。しかし、おつきあいをしている時と違い、生活をともにすることとなると、さまざまな価値観の相違に気がつき始めました。もともと素直でまじめなC子さんは、年上の夫にあわせようと必死に努力を重ねましたが、たえず夫の顔色を伺ってビクビクして暮らしている毎日に、精神的にも肉体的にも疲労困ぱい、彼女の方から離婚を切り出しました。 夫は、C子さんを嫌いになったわけでもなく、暴力や不貞等の離婚理由があったわけでもなかったため、ショックは大きかったようです。それでも何とか合意に至り、協議離婚の届出がされました。 合意内容は、@離婚届けを出す、A2年前の結婚の際に購入した共有マンションのC子さんの持分(4分の1)を財産分与として彼に移転する、Bその代わりにマンションを現時点での査定価額の4分の1相当額をC子さんに支払う、というものです。 相談を受けた時には、マンションの持分移転登記はすでに終わっているにもかかわらず、Bの合意事項である金銭が支払われておらず、そのうえ元夫が「合意は無効だ」などと主張し始めていたのです。 そこでC子さんの代理人として、元夫宛にきちんと合意事項を履行することを求める内容証明郵便を出しました。第三者が介入したことにより、元夫も冷静になり、後日マンションの査定にも立会い、書面にて確認書を取り交わし、C子さんへの金銭の支払いも無事に完了しました。C子さんも苦い体験をのりこえて、今は未来にむかって新しい仕事にチャレンジしようと前向きに一歩を踏み出しています。 もし元夫が早々にマンションを第三者に売却し、金銭を使ってしまっていたならば、解決は長引き、和解ができても何も取ることができないということにもなりかねませんでした。こじれてしまえば家庭裁判所への調停申立ということになってしまいます。今回はそこまで至らずに早期に解決することができました。 |
| 「難病の息子に財産を残してやりたい」という願いを叶えた法律相談 (05年7月第27号) |
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【息子に財産を残してやりたいという願い】 事務所に相談に来られたEさん。公務員を務め、退職金で10年前に家を建て、いまは年金暮らし。近く住宅ローンも払い終わるといいます。3人いた息子さんは、長男が亡くなり3男は難病。本人も難病をもち、いま3男と一緒に暮らしています。20年前から別居している夫がいますが、この夫がひどいのです。過去、夫の会社や生活費など夫のためにEさんが渡したお金は数千万円。それでも足りず、Eさんが家を空けている間にEさんの通帳や着物など金目のものを家から持ち出すことしばしばです。 Eさんの願いはささやかでした。「夫からお金を取り返したいという気はありません。せめて、夫が死んだとき夫の借金を私や息子が背負うようなことはしたくない。それと、自宅と土地の2割の所有権を夫が持っているのですが(Eさんに8割の所有権がある)、それを息子に渡したい」というものでした。 【まず離婚を成立させることが先決】 Eさんのケースの場合、夫が亡くなった場合のことも大事ですが、それ以上にEさん自身が亡くなった場合のことを考えることが大事です。なぜなら、夫が亡くなった場合、かりに夫に借金等があったとしても、相続の放棄あるいは夫の不動産の持分の範囲で限定承認すれば済む話です。しかし、不動産の持分の8割はEさんの所有になっており、万が一Eさんが亡くなられた場合、財産の2分の1を夫が相続することになるのです。遺言書で「2人の息子に相続する」と記したとしても、夫には遺留分をとる権利があります。 離婚が成立すれば夫に相続は発生しません。ところが夫は離婚に応じようとしていませんでした。 【内容証明でもなく、訴訟でもなく】 私がアドバイスしたのは、「協議離婚が成立しなければ、家庭裁判所で調停離婚するしかなく、その場合家庭裁判所は認めると思われます。そのうえで夫の持分をなくすためには、内容証明を送ったり、私たちが代理人になって交渉するという方法もあれば、訴訟で損害賠償を請求し結果として持分を移転するという方法もあります」という法律上の見通しでした。 法的見通しが見えたからでしょうか、Eさんは意を強くしたように、こう言いました。「私がもう一回夫に話してみます」。 1ヶ月後に再度事務所に見えたEさんの手には、夫の実印が押してある離婚届と、不動産の持分を3男に贈与するという念書でした。あとは実務手続きの援助です。 |
| 自己破産さえできない多額債務の整理めざして (05年8月第28号) |
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【多額債務の連帯保証人として途方にくれたGさん】 先日相談にみえたGさん(60歳・女性)のお話です。元夫が不動産業と飲食店を多角的に経営し、バブル当時にかかえた負債を払えずに、所有していた不動産は、すべて税務署と10億の貸付を行った第1抵当権者の金融機関によって差し押さえられ、自宅も競売にかけられてしまいました。Gさんは、元夫の借入金の連帯保証人になっていたのです。元夫はGさんと離婚後行方不明となり、Gさんのもとへ第2、第3順位の抵当権者から督促がきました。しかしGさんには不動産もなく、支払う能力はありません。債権回収会社から自己破産手続を勧められ、Gさん自身もきちんと法的手続をとり、債務を整理しようと2度も東京地方裁判所に申立に行ったのです。 ところが、裁判所の窓口で書類を受付けてもらえず、弁護士会を紹介され、その費用もなく途方にくれて相談に来ました。 まず、私が電話で裁判所に確認をすると、「債務者にどんなに資産がなくても負債の総額が10億円を超えた案件では、負債の状況について調べる手続をとらざるを得ない。予納金が少なくてすむ管財人のつかない個人破産手続は認めらない。とるべき方法は、@弁護士を頼んで予納金20万円プラス弁護士報酬を払う。A弁護士をつけない場合は裁判所選任の破産管財人費用として400万円の予納金を納めるしかない」とのことでした。貸店舗で居酒屋をしている息子さんを手伝いながら細々と暮らしているGさんにとてもそんなお金は用意できません。 【報告文書を債権回収会社に送付】 今回のケースは、@債権回収会社もGさんに支払能力がないことを認識していた。A債権回収会社もGさんも自己破産を簡単にできると思っていた。Bしかし裁判所の対応は全く違って、自己破産手続ができず、暗礁に乗り上げていたという経過でした。 そこで、Gさんのとった行動の経過及び裁判所の扱いについての報告文書を作成し、受付けてもらえなかった自己破産申立書の写しも添付して、債権者である3つの回収会社に対して送付しました。この報告文書をもって相手の債権会社が事実上の自己破産と認識し、Gさんの保証債務を処理する可能性が生まれます。報告書に目を通したGさんは「本当にこのとおりの内容です。私にできることはすべてやりましたので、報告書を出したらスッキリしました」と明るい顔で帰られました。Gさんに対する督促も以後はないようです。 |
| NPO法人の設立や運営に関わって (05年9月第29号) |
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NPO法人が増えています。NPOとは、英語の「Non-profit Organization」の略で、「非営利組織」と訳されています。阪神淡路大震災時のボランティア活動をはじめとする幅広い市民の社会貢献活動のなか、平成10年に「特定非営利活動促進法」が制定され、今日までに全国で2万を超えるNPO法人が設立されました。 当事務所でもこの間、@在宅看護支援を目的とする訪問看護ステーションのNPO、A犯罪から子どもを守るために危険情報をメール送信するネットワークとしてNPOを起ち上げようとするもの、B文化・芸術の振興をはかり、高齢者や障害者、子どもや外国人の方の交流を通じて地域コミュニティをつくるためのNPO立ち上げなど、学習会の講師や設立手続、設立後の運営や経理、助成金の申請を依頼されています。 【NPO法人のメリット】 NPO法人のメリットとしては、@設立手数料の優遇(資本金がいらない。定款認証や登記の手数料がかからないなど)、A個人や営利法人に比べ、NPO法に基づく情報公開を求められる分、高い社会的信用が得られること、B行政や民間からの業務委託や補助金を得やすい、C企業なら広告料をとられるが、NPOなら無料または安くなる、D活動がマスコミに注目されやすいことなどがあげられます。 また、政府の雇用促進政策の中にもNPO法人が位置づけられており、若者の就職希望も営利目的の企業より社会貢献を重視するNPO法人が増えているようです。こうした動きは有能な人材を確保するという点で大きなメリットであると言えます。 【公正な運営としっかりとした経営の両立を】 NPOはこうしたメリットが与えられる代わりに、設立の際には2ヶ月にわたる定款の縦覧、毎年税務署への申告以外にも都道府県(または内閣府)に対しても決算の報告・閲覧をする義務があります。 新聞報道によれば、ボランティア活動を中心とするNPOが解散も相次いでいるとのこと。NPOといえども、事業活動をやれば法人税が課税されますし、人を雇えば給与も支払わなければなりません。やはり、事業計画をしっかりもって、経営を継続させる独自の努力が求められるのです。 |
| 自己破産ではなく、“時効の援用”で債務ゼロになったケース (05年10月第30号) |
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Iさんは、化粧品会社で働いていた平成8年当時、海外旅行のためにサラ金2社から30万円借りてしまいました。セールスレディとして長時間残業もこなし、返済に窮するとは夢にも思っていなかったのですが、その直後に身体をこわして入院、目的の海外旅行にも行かれず、会社も辞めざるを得なくなったのです。体調も悪いうえに収入も途絶え、返済と生活のために次々と数社のサラ金に手をつけてしまいました。 うつ病も併発し、一人暮らしをあきらめ母親のもとに戻り、引きこもりの状態が5年ほど続きました。サラ金会社から督促はきたものの、平成9年半ばの返済を最後に、その後は全く返すことはありませんでした。当時を振り返っても自分がどんな状況だったかよく思い出せないIさんですが、母親の援助と新たな出会いの中で少しずつ立ち直り、ようやく結婚することになりました。そこで、「過去の債務をきちんと整理するため自己破産したい」と相談にみえたのです。 Iさんの債権者はいずれも長者番付に登場する大手サラ金会社でした。貸金業等の債権は5年で消滅時効が成立します。そこで自己破産申立ではなく、「債務は時効により消滅しているので、今後一切の請求には応ずるつもりはない」との内容証明郵便をIさんの代理人として作成し、各社宛に送付しました。この手続きでIさんの支払義務はなくなったわけです(ヤミ金の場合ですとそう簡単にはいきません)。 消滅時効とは、一定の期間権利が行使されなかったことによって、その権利が消滅するという効果を生じる制度です。一般債権の時効期間は10年ですが、それとは別に短期消滅時効として、上記貸金業の債権は5年、請負工事代金は3年、商品代金は2年、飲食代金は1年と決められています。 消滅時効を中断させるためには、債権を回収する側(サラ金側)が、いくら督促の通知を頻繁に行なってもダメで、裁判上の請求が必要となるのです。 |
| 妻の生活を守るために一番有効な遺言書は?〜70代男性の遺言相談より (05年11月第31号) |
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Yさんは都内に約100坪の土地を所有しており、その土地に10年前に建てた住宅には老夫婦と息子さん2人の家族の3世帯が住んでいます。最近自分の健康に不安が生じているYさんの悩みは、万が一のときに、現在要介護度2で平日はデイケアに通っている妻の将来のことでした。 「自分が死んだとき、妻にすべての財産を相続し、土地・家を売却したお金で妻を施設に入れる」と考え、遺言書作成の相談に見えました。しかし、よく話を伺うと、複雑な事情があります。@住宅はYさんと息子さん夫婦の計5人の共有名義となっており、売却は簡単でなさそうです。息子さん2人の間でも名義変更をめぐってトラブルがあるようです。A妻自身は「施設ではなくこの家に住み続けたい」という気持ちを持っており、B仮に自宅で面倒を見るとしたなら息子2人のうちどちらが行うのか、面倒を見る方の息子さんの配偶者の理解は得られるのか、などです。Yさんの願いを叶えるためにはどうしたらいいのか、大変悩ましいケースです。私は次のようにアドバイスをしました。 (1)たしかに妻の生活を守るためには、財産の多くを妻に集中して相続させたほうが、息子さんたちにとってもいずれは自分のものになるのだからと納得しやすく、相続税の面でも配偶者には税金が少なくなるよう配慮されています。問題は、妻に痴呆等の症状が出た場合に身上看護と財産管理を誰が行うかです。成年後見制度を利用することも一案です。Yさんが元気なうちはYさん自身が後見人となり、Yさんが亡くなったときには別の人が後見人に就任するという意思を遺言書で述べておくのです。いまから成年後見の契約を公証役場で結び、家庭裁判所に届け出る手続をしておけばより確実です。 (2)一定の財産を妻の面倒を見る息子さんに相続し、その代わりにその息子さんに妻の面倒を見るよう遺言書で具体的に指示することも考えられます。たとえば、「長男○○は、遺言者の死亡後、遺言者の妻○○と同居して看護・扶養しなければならない」などと遺言するのです。 (3)自筆証書遺言は何度でも書き換えることができ、最後に書いた遺言書が有効です。今後時間をかけて息子さんたちとよく話し合い、Yさん自身の考えももっと整理してみる必要がありそうです。 Yさんも少し落ち着いたようです。一生に一度しかない遺言書、悔いのないものを作りたいものですね。 |
| 「相続時精算課税制度」を活用して実現した生前贈与 (05年12月第32号) |
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Tさん(72歳)のご相談は、長野県の土地を娘さんに贈与したいというものでした。 Tさんの母親が亡くなられた時に相続した土地でしたが、ご自身は東京に家を持ち、現在は長野に嫁いだ娘夫婦が、その土地上に家を建てて住んでいます。娘さんから住宅ローンの借換えにあたり、いずれ相続する土地なので今回名義を娘さんのものに変えたいとの申出がありました。以前ですと贈与税の負担が大きく生前贈与はあきらめざるを得なかったのですが、平成15年の税制改正により、「相続時精算課税制度」が新しく創設されました。 【相続時精算課税制度とは?】 贈与を受けた時に贈与財産に対する贈与税を支払い、贈与者が亡くなった時にその贈与財産と相続財産とを合計した価額を基に相続税額を計算し、既に支払った贈与税額を控除するものです。贈与財産が特別控除額2500万円の範囲内であれば税金はかかりません。これを超えた場合、超えた金額に20%の税率を掛けたものが、贈与税額となります。贈与者は「65歳以上の親」、受贈者は「20歳以上の推定相続人である子」が対象となります。 贈与税の申告時期(贈与を受けた翌年の確定申告期間)に「相続時精算課税選択届書」を贈与税の申告書に添付して税務署に提出します。 Tさんの土地は2500万円以下でしたので、娘さんに贈与することにしました。 |
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