直線上に配置
労使トラブル 110番
雇用関係助成金編

 中小企業に対して、各省庁や行政、金融機関が窓口となり、さまざまな融資や助成金制度が設けられています。何回かに分けて、その概要をご紹介します。

 今回は、雇用関係の助成金についてです。「助成金」は、融資と違い返済の義務がないのが最大の魅力です。その代り、実際にかかった費用に対してその一部を企業に対して援助するという、まさに「助成金」ですから、かかった(今後かかる)以上の金額が支給されることは原則としてありません。たとえば、新分野へ進出するために新たな雇用をする「中小企業基盤人材確保助成金」のように、支払った賃金の一部を負担するものです。
 とはいえ、助成金によっては、最大1000万円を超えて受給できる場合もありますから、条件のある企業はしっかりと活用していきたいものです(下記は10/1現在の概要です。詳しくは厚生労働省の資料をご確認ください)。

名称 助成金制度の趣旨 助成額
中小企業人材能力発揮奨励金 生産性向上が特に必要な認定中小企業者等が、認定計画に基づき雇用環境の高度化を図るための設備(例えば、産業用ロボット、PC、POSシステム等)の設置又は整備を行い、併せて、奨励金の対象となる労働者の雇い入れを新たに行った場合 雇い入れ人数と事業所規模によって設備に要した額の1/4〜1/2(最大1500万円)
中小企業基盤人材確保助成金 新分野進出等(創業、異業種への進出)若しくは生産性の向上を目指す中小企業事業主が、都道府県知事から雇用管理の改善計画の認定を受け、必要な中小企業者の経営基盤の強化、若しくは生産性の向上に必要な労働者を新たに雇い入れる場合 基盤人材1人当り140万円(上限5人)、一般労働者1人当り30万円(基盤人材の雇入れと同数が上限)
中小企業雇用創出等能力発揮奨励金 都道府県知事から改善計画の認定を受けた個別中小企業者又は事業協同組合等の構成中小企業者が、当該計画に基づき、事業の高度化等に必要な高度な職業能力の開発及び向上のため、又は新分野進出等若しくは経営革新に必要な職業能力の開発及び向上のため、事業内外での職業訓練の実施又は職業能力開発休暇の付与を行う事業主に対して、その費用の一部を助成する @職業訓練を受けさせる場合の経費(1人1コース10万円を限度
A職業訓練期間中の賃金の1/2(3年を限度)
中小企業短時間労働者雇用管理改善等助成金 短時間労働者の雇用管理の改善のための計画を作成し、その計画に基づきその雇用する短時間労働者に対して一定の雇用管理改善の措置を実施する等、他の事業主の模範となる取り組みを行う中小企業事業主に対して支給
例:雇用時健康診断の実施、定期健康診断の実施、講習の実施、キャリアアップ制度の整備等
@改善計画作成費用15〜20万円
A例:定期健康診断3600円/1人、内容により1300円〜
試行(技能継承トライアル)雇用奨励金 中小企業の事業の継続・発展に不可欠な技能、技術、ノウハウ等であって、その習得に相当な期間を要するものの受け手(技能継承者)となり得る若年者(35歳未満)を一定期間試行雇用することにより、その能力や業務遂行可能性を見極め、技能継承者の確保を図ることを目的として、試行雇用奨励金(技能継承トライアル雇用)を支給 試行雇用労働者1人につき月額4万円、支給対象期間(最長3ヶ月)
中小企業雇用安定化奨励金 中小企業事業主が、有期契約労働者の雇用管理の改善を図るため、労働協約又は就業規則により、新たに転換制度を導入し、かつ当該制度を適用して有期契約労働者を通常の労働者へ転換させた場合に、中小企業雇用安定化奨励金を支給 @1事業主につき35万円       A当該対象労働者10人までについて、1人につき10万円
定年引上げ等奨励金 65歳以上への定年の引上げ、希望者全員を対象とする70歳以上までの継続雇用制度の導入又は定年の定めの廃止を実施した中小企業事業主に対して助成 企業規模と定年の引き上げ制度の内容によって40〜120万円
70歳定年引上げ等モデル企業助成金 70歳以上まで働くことができる新たな職域の拡大等を行うモデル的な取組を実施した事業主に対して助成 2期に分けて最大500万円

制度融資活用編
セーフティネット保証制度D号に業種追加(2008年11月14日)

 中小企業庁では、業況の悪化している業種に属する中小企業者を支援するための措置として、「セーフティネット保証制度(5号)」を設けています。今回、急速に景気悪化が進行する中で、対象となる業種が拡大されました(11月14日)。これにより、これまで製造業や建設業を中心に指定されていましたが、「ソフトウェア業」や「自動車の卸、小売」「コンビニエンスストア」「広告代理業」など従来あまり指定されたことのなかった業種が数多く指定され、618業種になっています。
 融資限度額は、別枠無担保保証で最大8000万円までとなっていますので、既に一般保証枠限度額いっぱいに融資を受けている企業も対象となります。
 また、責任共有制度が導入されて、通常80%しか保証されなかったものが、この制度については保証協会が100%保証しますので、条件を満たせば銀行の貸し渋りも避けられます。


【対象となる中小企業者】
 以下のいずれかの用件を満たす中小企業者です。

 ・指定業種に属する事業を行っており、最近3か月間の平均売上高等が前年同期比マイナス  3%以上の中小企業者。
 ・指定業種に属する事業を行っており、製品等原価のうち20%を占める原油等の仕入価格  が上昇しているにもかかわらず、製品等価格に転嫁できていない中小企業者。
 ・指定業種に属する事業を行っており、最近3か月間(算出困難な場合は直近決算期)の売  上総利益率又は平均営業利益率が前年同期比マイナス3%以上の中小企業者。

2008年11月21日から「予約保証制度」がスタートします

  これまで信用保証協会の保証付き融資を得ようとすると、金融機関を通じて借入申込を行ってから保証決定まで、1か月前後の期間が必要でした。これでは、急ぎの資金需要が発生しても迅速な資金調達が難しく、「黒字倒産」の一要因とも指摘されてきました。
 今回スタートする「予約保証制度」は、中小企業への迅速な資金調達を支援することを目的として設けられた制度です。
●資金需要発生前にあらかじめ審査
 各中小企業者の資金需要が発生する前に、あらかじめ金融機関および信用保証協会に申込み、審査を受けることで、将来の借入のための保証枠を確保(保証付き借入の予約)することができるようになります。
●資金需要発生時には、迅速に融資実行
 各中小企業者に急ぎの資金需要が発生した場合、確保された保証枠の範囲内について、迅速に融資が実行されることになります。
●保証料が若干アップ(0.2%程度)
 実際に融資を受けた場合には、通常の料率に一定の保証料(0.2%程度)を上乗せになります。

【 従 来 】 【予約保証制度】
資金需要発生・借入申込 予約保証契約申込
(審査)
保証決定
(審査)
予約保証契約締結
資金需要発生
(審査不要)
融  資  実  行 融  資  実  行